バッテリーの構造
鉛バッテリーの基本構造は全て同じです。
セルと呼ばれる小部屋の中に、鉛製の陽極板と負極板、それらの極板を接触させないためのセパレータが、陽極板→セパレータ―負極板→セパレーター→陽極板・・・といった順番に納められ、全体が希硫酸で満たされています。これらのセルが、ストラップで結ばれ、電気を供給します。
図はイーグルピッチャーの上蓋を切断して内部を見えるようにしたもの。イーグルピッチャーはAGMのため、希硫酸は極板を挟み込むグラスマット(セパレーターとしても機能します)に吸収されています。
電気は鉛と希硫酸が下記のように反応することで発生します。
満充電時 放電時
PbO2+Pb+2H2SO4↔2PbSO4+2H20
放電時の各極板ごとの反応は次の通りです。充電はこの逆です。
陽極版:PbSO4+4H++SO42-+2e-→PbSO4+2H2O
負極板:Pb+SO42-→PbSO4+2e-
尚、充電時、これらのH+がH2となり、水素ガスが発生することがあるので
換気の良いところで行う必要があります。
満充電となった各セルは2.15Vとなり、このセルが連なって、所定の電気(例えば12Vバッテリーなら6セル)を供給します。
一見すると液が無いように見えるAGM(Absorbed Glass Matの略)バッテリーも原理は同じです。ただ、希硫酸を、ガラスを繊維状にして編みこんだ「グラスマット」に吸収させて、希硫酸を液体の状態では保持していないのです。このため液漏れがなくなり、安全性が高まると同時に、水分の蒸発が抑えられるので、メンテナンスの必要がなくなります。